Hitch the world

-Just a documentary on my journey-

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チベット回想録 

我々一行を乗せた四輪駆動車は、

チベット高原の西の果てにあるという神の山へ向け、

どこまでも続く乾燥した大地の上を、黄色い砂埃を舞い上げ、

エンジンを唸らせ駆け抜けた。

太古の時代にインド亜大陸とユーラシア大陸の衝突によりヒマラヤ山脈とともに生まれた、

世界一の標高と面積を誇るこの広大な高原に住まう人々の皺だらけの肌のように、

どこまでも続く景色は赤茶色の山襞、

そして彼らの尽き果てぬ信仰心のように、

どこまでも澄み切った深い紺色の空がそれを覆い尽くす。

Tibet

3週間に及ぶこの長旅は無事に終わり、

今はネパールのカトマンズにて日記を書いている。

Tibet

我々のガイド、タシは28歳のチベット人だ。

中国人ガイドが多数いる中、運良くチベット人ガイドをつけることができた。

情熱と良心のある、素晴らしいガイドだ。

Tibet

彼には、

ここには書けない歴史上のタブーについて聞きたかったためにこれを質問したところ、

それを言うことはあまりにも危険すぎるとのことで、聞き出すことはできなかった。

Tibet

また、泥酔して夜のラサを歩いていたところ道に迷い、

あるチベット人青年が賓館への道案内を買って出てくれた。

Tibet

亡命のようなものだと思うが、

彼は6歳の時にインドはダラムサラへ単身留学し数年前に帰ってきたという。

中国語は話せず、流暢な英語を話す。

Tibet

ガイドの勉強をしているが、

彼のバックグラウンドが影響してか、許可が下りないと呟いていた。

Tibet

その後に出会った別の一行のガイドは、

ほとんど同じ境遇だが許可なしで無理やり仕事をしている。

Tibet

多くの場面で自由が制限されているのを見ることができるが、

それを彼らはものともせず、彼らなりに今を生きている。

Tibet

なお、彼らは仕事上の怪我などは多少は保障が適用されるが、年金は無いとのことだ。

Tibet

平等にはまだまだ程遠いとタシは暗い声で呟き、地酒であるチャンを飲み干した。



この長旅の途中、「チョモランマ・ベースキャンプ」で一泊した。

ヤクの毛で編まれたテントに泊まり、世界最高峰の夕焼けと朝焼けを拝むことができた。

今年、既にこの山で亡くなった8人の日本人、

そして夢半ばに命尽き果てた大勢の者たちに合掌した。

またもや泥酔していたとはいえ、このベースキャンプでさえ呼吸困難になりかけたのに、

この山の頂上を目指す者はもはや人間ではないと思う。



ハイライトの神山「カン・リンポチェ」。

Tibet

生まれてからの26年間で出会った思い出しうる限りの人の幸福を祈り、

3日をかけてこの山を徒歩で巡礼し、

祈祷旗を、一説に縁ると標高6000mに位置する峠に掲げた。

Tibet

途中の山小屋では、許可証なしでここまで潜入してきた日本人に出会った。

Tibet

彼はこれまでに3回の潜入に成功し、14周の巡礼を達成している。

Tibet

中国人のふりをしているが、無口でおとなしく、髭があるためにすぐに判り、

声をかけてみたら案の定、「ばれましたか。。。」。

Tibet

今年、許可証なしでヒッチハイクのみでここまで来れた日本人は彼だけではないだろうか。

Tibet

建国60周年に向けて強化されている検問の位置を完璧に把握するという努力と、

尚且つ許可証を意地でも取得しないという心意気、

失敗を恐れない勇気、そして神の山それ自身が、彼を成功へと導いたように思う。

Tibet

高価なチベット入域許可証および外国人入境許可証の収入は中国政府の懐に全て入る。

Tibet

巡礼のチベタンからは、次はお前もがんばって許可証なしで来い、と言われてしまった。

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彼らの信仰心は揺ぎ無い。

Tibet

過去に幾度も駆逐されてきたが、その度に現れる高僧の指導により復活を遂げてきた。

Tibet

その度にさらにパワーアップし、信仰心を強固なものとしてきた。

Tibet

西部大開発によって漢民族化が急速に進んでいる。

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西部の町「アリ」に空港が来年にも完成する。

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これが完成してからはさらにこの地は様変わりするだろう。

Tibet

自分がこの目で見てきたものと同じ街並み、景色を見ることは二度とできないだろう。

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どこもかしこも、チャイナモバイルの巨大な看板だらけになるだろう。

Tibet

しかし今回の旅で、尊敬する彼らの芯の部分までは変えることはできないと確信。

Tibet

少し安心した。

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そしてここ、ネパール。

これからは、3ヵ月をかけて2本のトレッキングをしようと思う。

まずはここ、カトマンズから徒歩で再び世界最高峰を目指す。

そしてその後はネパールの北辺にあると言われる秘境、ムスタン王国だ。

ガイドもつけずに行くのでいったい幾週かかるかはわからないが、

とても素晴らしい体験になることは間違いないだろう。

Tibet


カン・リンポチェ巡礼

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